食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の違い

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の違い

 

皮膚に起こる炎症で強いかゆみや発疹を伴うものにアレルギーとアトピー性皮膚炎があります。
どちらも見た目はよく似ていますが、実はこの二つはまったく別の物です。
その違いを整理しておきましょう。

 

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎は別の物

最初にそれぞれの言葉の意味を簡単に説明するとこうなります。

 

  • アレルギー=本来無害な物質に対して免疫機能が過剰反応を示すこと。
  • アトピー=強いかゆみを伴う湿疹ができ、悪化したり良くなったりを繰り返す病気。

つまりアレルギーは体内現象の呼び名であり、アトピーは病気、ということです。

 

アレルギーは現象ですから、原因になるものを取り除けば発生しません。
アトピーは治療が必要な病気ですので、特に反応が強いアレルギー物質を取り除いても治るわけではありません。
複雑な要因が絡み合っているので、それらを除去しつつ体の治療も続ける必要があるのです。

 

食物アレルギーとアトピーの症状の違いとは?

両方とも皮膚が炎症を起こしてかゆみが出るという点ではよく似ていますよね。
でもそれは表面的な症状にすぎません。
それぞれの症状には大きな違いがあるのです。

 

食物アレルギーの症状

ウイルスや細菌が体に入ってきたとき、それを検知してくれるのが「抗体」です。
抗体が異物をキャッチすると、それに応じて攻撃するための物質が放出され、体が害されるのを防ぎます。
これを免疫反応と呼びますが、これが過剰に反応してしまういわば免疫の誤作動がアレルギーです。

 

アレルギーでは、本来毒でない物質を敵と判定してしまう「IgE(アイジーイー)抗体」というたんぱく質が作り出されます。
卵を異物と判断すれば卵に反応するIgEが、そばならそばに反応するIgEが、といった具合に、作られるIgEによって何にアレルギー反応を起こすかが決まります。
そしてその食べ物(アレルゲン)が入ってくると、即座にIgEがキャッチし、攻撃物質(ヒスタミンなどの化学物質)が放出されてアレルギー反応を起こします。

 

アレルギー反応にはいくつかの症状を伴います。

  1. 皮膚反応:じんましん・眼の充血・瞼の腫れ・顔面が紅潮するなど
  2. 呼吸器:咳込み・喘息・呼吸困難など
  3. 消化器:下痢・おう吐・腹痛
  4. 全身症状:貧血・意識障害など

特に4)の全身症状は「アナフィラキシー」と呼ばれ、症状が重いと命にかかわる場合があります。

 

食物アレルギーは特に免疫機能が未成熟な乳幼児期に多く見られますが、成長とともに自然に収まっていくことが多いとされています。

 

アトピーと診断される条件とは?

アレルギーの皮膚症状とよく似ていますが、まったく違うのがアトピー性皮膚炎です。
実はアトピーの診断には基準値というものがありません。

 

ウイルスや特定の臓器の異常とは違い、症状から判断するしかないのが現状です。
その症状は主に4項目あります。

 

  1. 強いかゆみを伴う皮膚炎症がある
  2. 皮膚の一部が乾燥していたり厚くなっているなどの特徴的な症状が現れている
  3. 一度よくなっても再発を繰り返す
  4. アトピー素因(家族にアレルギーの人がいる、血液中のIgE抗体の値が高い)

これらを満たした場合はアトピーと診断され、継続的な治療が必要になります。

 

まとめ

食物アレルギーとアトピーを同じと考えることは非常に危険です。
アレルギーを慢性症状であるアトピーと思い込むと、アレルゲンに対しての警戒が低くなり、重篤なアナフィラキシーを引き起こす可能性があります。
逆にアトピーをアレルギーと誤認すると、継続的に行うべき治療や体質改善が正しく行われずに悪化する結果を招きます。

 

症状が出たら自己判断せずに、まずはきちんと検査を受けること。
正しい知識と治療が、快適な生活への第一歩です。

 

関連ページ

アトピーケアの必需品!保湿剤の上手な選び方
アトピーケアに欠かせない保湿剤の種類と上手な選び方を紹介します。
アトピー治療薬の新常識
アトピー治療薬の種類と効果をそれぞれ紹介します
アトピー改善は食事が決め手!
アトピーを改善するには、毎日の食事にも気を配る必要があります
危険!アトピーの人が絶対に食べてはいけないもの
甘い物や冷たいものなどを食べると、アトピー症状が悪化するおそれがあります。
アトピーのかゆみで眠れない時の5つの対処法
アトピーのかゆみで眠れない時はどう対処したらよいのでしょうか?
ストレス性アトピーにはアロマがおすすめ!
ストレスから来るアトピーには、リラックスできるアロマセラピーがおすすめです。
アトピー治療のためのステロイド使用のポイントは短期決戦
アトピー完治のためのステロイド使用のポイントは短期決戦にあります。
水素水のアトピーに対する効果に業界激震!
水素水のアトピーへの効果に今業界が震えている!一体何が凄いというのか?
アトピーの主犯は活性酸素だった!
アトピーに悩んでる方に朗報です!アトピーの主犯が実は「活性酸素」だった!と、言う結果が発表されました。
環境汚染こそアトピーの元凶
環境汚染が問題視されるようになった時期とアトピー性皮膚炎の患者が急増している時期は一致しています。
アトピーになる人とならない人の違いがわかった!
なぜ同じ汚染された環境で生活していても、アトピー性皮膚炎になる人と、ならない人がいるのでしょうか?どこに違いがあるのでしょうか?
海水浴でアトピーは改善する?悪化する?
海水浴でアトピーが良くなったというケース、悪くなったというケースの両方の話を聞きますが、実際のところどうなのでしょう?
乳児アトピーは成長によって治る?
乳児のアトピーは、体がどんどん大きくなっていくときに発生する肌トラブルの一種です。ですから、ほとんどの場合は小学生くらいまでに治ってしまうことが多いのです。
乳児アトピーと乳児湿疹と脂漏性湿疹の違いは何?
赤ちゃんの肌トラブルについて病院で告げられる病名にも混乱します。「乳児アトピー」「脂漏性湿疹」あるいは単に「乳児湿疹」などなど。これらはいったいどう違うのでしょうか?
アトピー改善には善玉菌を増やし腸内環境を改善することが大事
アトピーを改善するには、年齢と共に減少していく善玉菌を意識的に増やし、腸内環境を整える必要があるのです。
アトピーの子供のステロイド剤の正しい減らし方、やめ方まとめ
小さな子供の場合、肌の成長を考えてより慎重になる気持ちはよくわかります。ここでは子供のステロイド剤の正しい減らし方、やめ方についてまとめてみました。